設計会社の耐震偽装による建築基準法改正に伴い、建設会社が困惑し建築業界が停滞したと思ったら、
今度は、メーカーによる耐火基準の偽装取得の問題が発覚しました。
@最初は大手建材メーカーである ニチアス株式会社
耐火偽装の指摘を受けたのは、
01年2月〜05年8月に認定を受けた準耐火構造の軒下部18種類と耐火構造の間仕切り壁2種類
の計20種類で、不正の手口はいずれも、民間性能評価機関による試験の際、外から見えない内側の
材料を水に浸し、燃えにくくしていたようであります。その結果、45分の耐火性が必要な部分で
実際には25〜30分、1時間の耐火性が必要な部分では、40〜45分の耐火性しかなかったようです。
これは、軒下天井部という一番火の影響を受けやすい場所での偽装であり、又、色々な住宅メーカーが
ニチアスから建材を購入しているため、賠償額が400億円以上と予測されています。
特に「ヘーベルハウス」「ヘーベルメゾン」で、使用している旭化成ホームズは、無償改修を指示しており、
その棟数は約4万棟に及ぶと見られています。
このため、発覚前に1000円以上をつけていたニチアス株は連日ストップ安を続け、本日11月6日の
終値で471円となっています
Aそして昨日5日、東洋ゴム工業株式会社
耐火偽装の指摘を受けたのは、
92年10月〜04年5月に民間性能評価機関の試験を受けた、不燃材や準不燃材で作られた断熱パネル
3種類と、これらのパネルを材料にした耐火構造の外壁3種類の計6種類で、店舗や工場、学校など
176棟の間仕切りや外壁に使われていると発表されました。ニチアス(東京)の耐火材性能偽装問題が
発覚した後の社内調査で明らかになったと言われています。
不正の手口は、試験を受ける際、燃えにくい素材などを混入して耐熱性を3倍に偽装していたようです。
改修に要する金額は約40億円と予測されているようです。
これを受け、ニチアスと同じく、東洋ゴム工業株の売りが殺到し、昨日 始639円 ⇒ 終619円 で
取引されていましたが本日は売買が成立しない形となっています。
この2つの耐火認定偽装を受け、国土交通省は6日、大臣認定を受けている他のメーカーの建材すべてを
緊急調査することを決め、認定試験を行う民間性能評価機関6法人と各メーカーに過去の認定を
精査するよう求めるようであります。
このように、衣食住の〔住〕の分野において、偽装が発覚したのは、建築業界のモラルの問題です。
〔食〕の分野では、食肉業界を筆頭に、『不二家』『白い恋人』『赤福』等が問題視されておりますが、
〔食〕と同じように、次々と偽装が発覚し、建設業界が停滞しないよう切に願うところであります。
|