グラスウール材の逼迫状況

2010-12-01

現在、家電エコポイントは、この年末で殆どが終わることもあり、
駆け込み需要等で賑わっております。
これに対し、開始が遅かった住宅版エコポイントは、
ようやく建築の際の環境対策として使用され始めております。

この住宅版エコポイントですが、大きく3つの柱に分かれております。
1つ目が、窓の断熱です
 サッシの隙間を無くしたり、2重窓にしたりして、気密効果・断熱効果を高めることで、
 省エネを目指します
2つ目が、バリアフリーです
 これは、省エネとは関係ありませんが、これからの高齢化社会へ向けての話となります
そして、3つ目が、屋根・壁の断熱で、これがこのHPをご覧頂いている方々の
関係する重大なこととなります

その重大なこととは、断熱効果を高める上で、必要な資材の柱として、断熱ボード、及び、
グラスウールと呼ばれる断熱シートがあります。
このグラスウールロールが、需要の急増により、供給が追いつかない状態となっております。

特に、住宅メーカーや商社等が、沢山買占め、少量の需要に対応できない状態になっております

なぜこのようなことが起きるのかといいますと、
元々、断熱工法の住宅では、グラスウールを屋根や壁に入れるだけでよく、
密度等を指定されることが少なかったのですが、住宅版エコポイントでは、
一定の断熱効果の数値が必要なため、16kg/m3圧の密度が最低となります。

この密度がキモで、 10kg/m3圧のラインで、 16kg/m3圧は、
同時間で約50%の量しか生産ができません。
ただでさえ、住宅版エコポイントの効果で、需要が約2倍になっている状況で、
生産が約50%の減産となっていることを考えると、供給が追いつかなくなるのは、当然であります

もちろん、各メーカー共、至急生産体制を整えてはおりますが、
24時間稼動、休みなしで稼動しても、4倍の生産ができるわけもなく、
お待ちして頂いているのが、実情であります。

次に、これに煽りを受けているのが、板金業界であります

板金工事の屋根工事で、工場等大型現場にある工法で、
インシュレーション工法と呼ばれる工法があります
これは、板金屋根を2重葺きにし、その間にグラスウールを 10kg/m3圧で
100㎜分充填することにより、断熱効果、及び、耐火条件をクリアする工法となっております。

上記エコポイント関連で、 10kg/m3圧のラインを 16kg/m3圧に取られている為
現状10kg/m3圧の生産ができない状態のため、このインシュレーション工法現場に
問題が出てきております

つまり、仕様を変更するか、 16kg/m3圧を使用するか等の方法を取らねばなりません
どちらにしても、コスト高になります

そんな中、某社では、中国産のロールを試験し、耐火認定を取り輸入を始めております。
これは、JIS規格には準じておりませんが、商品的には問題ないものとされております。

どちらにしても、商品価格は上がっており、この予算の無い現場ばかりの中で、
頭を悩ます一因となっております。

この状況は、現時点でも、3月迄は続くと予想されておりますので、
グラスウールを使用される場合は、十分にお気をつけて頂きたく存じます。

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